2007年の今年の漢字は「偽」でした。見かけと実態とがかけ離れている事に対する国民の怒りが爆発した年でした。
一方2007年は,PLCにとっても製品を次々に市場に投入した年でした。繋がりにくかった場所との通信が確保できた例があった一方,「挿すだけでどこでも繋がる」という謳い文句が,実はそうではないことが明白になった年でもありました。
「通信できるコンセントを探そう」,「繋がらなかったら返金」などは謳い文句通りではないことをメーカー自身が認めたものと考えてもよいものでした。海外製品の混入,偽造品の流通をアナウンスしたメーカーもありました。
異議申し立てがこれだけの数出されたのも異例ならば,これまでに前例がないという高周波利用設備に対する型式指定の取り消しが20件以上も行われたのも異常でした。
2008年は,異常事態を収拾するべく,総務省がPLC技術基準の抜本的見直しを行うことを期待したいと思います。
米国のブログにあった情報ですが,D-Linkが発売しているPLCアダプタ DHP-300/301 が大きく発熱した例が報告されています。アダプタの基板が高温になり,半田付けした半田が一部溶けてしまったということのようです。ブログへのコメントを書き込んだ方の場合は,
発火にまで至ったとのこと。
ウェブの上には新しいPLCアダプタの情報が出てきます。
10月以来総務省は,新しい型式指定の官報告示を行っていませんが,先日報告した
ハロッズのHP-7050以外にも,2件の新製品の情報が見つかりました。
1件目は
パナソニックのBL-PA200で,これは8月1日に告示されたBL-PA204と同様のコンセント直差しのアダプタでイーサネットポートが1口のもの。
2件目は
Pop Link社のPL7660-ETH,PlugLink PL9950-BAR,PlugLink PL9550-WAPです。Pop Link社は,米国でPLC製品を販売している
Asoka USA社の日本窓口ということです。
<追記>ハロッズ,パナソニックのものは
12月18日に官報告示されました。
総務省は12月12日,PLCアダプタの型式指定に対する新規2件の異議申し立てを電波監理審議会に付議しました。
1件目は115名のアマチュア無線家によるもので,
2件目は個人によるものです。
これらの付議では関連する官報告示を示していますが,未だに官報告示を行っていない
ハロッズのPLCアダプタの型式指定(平成19年9月27日付け,指定番号 第ET-07011号)に対する異議申し立てが行われたら,近畿総通からの文書番号(近通環第446号)を参照するのでしょうか?
EU通信委員会による今年7月1日現在の,
各種ブロードバンド加入者数(アクセス系)に関する統計データが発表されています。
このpdfファイルの24ページにPLC加入者数がまとめてられてあり,EU27カ国の総計で17,554。(EUの全人口は約5億人)
EU27か国(2006年まで25か国)PLC加入数推移:
18,506(2005年1月)→21,532(同7月)→20,329(2006年1月)→
22,666(同7月)→20,265(2007年1月;旧25か国ベースでも同じ)→
17,554(同7月;旧25か国ベースでも同じ)
《参考》同FTTH加入数推移:
425,205(2005年1月)→480,937(同7月)→584,469(2006年1月)→
699,257(同7月)→866,708(2007年1月;旧25か国ベース806,813)→
1,037,147(同7月;旧25か国ベース1,025,696)
各国の詳細統計データは,上記発表資料の37ページ以降に掲載されています。ドイツでは1万弱,オーストリアに5400の加入者がいる一方,スペインでのPLC加入者は,半年で半減して1600になり,ラトビアではPLCサービスをやめたことがわかります。またスウェーデンでは昨年度いっぱいでPLCサービスが終わったことも分かります。