欧州委員会が予算をつけたPLC関連プロジェクトであるOpera2が,
2009年1月現在でのCISPR Project Team PLT (PT-PLT)の状況を報告する文書を公開しています。文書の作成者の一人であるJean-Philippe FAURE氏はPT-PLTのプロジェクトリーダーですので報告書の信頼性は高いと言えます。
これによると,CIS/I/257/CDに対する反対が多かったのを踏まえた改訂案作成の段階で,いくつかの国がPLCと短波帯無線の共存のため,これまでのCISPR規格の考え方とは異なってPLCの送信信号電力に制約を加えたりノッチを挿入することを提案したのに対し,日本が明確にこれに反対したことが記述されています。
また,南アフリカやオーストラリアが短波帯通信をPLCから保護するよう要求していることも書かれています。
2008年10月のCISPR大阪総会では,PT-PLTが「改訂委員会草案がCISPR22と同等の保護を与えることをdemonstrateする」ことを要求されています。
その結果,PT-PLTは,送信電力制限やノッチによる規制を行うタイプ1モデムとそのような規制はしないタイプ2(たぶん日本用でしょう)を提案しています。
報告書の最後の部分では,「CISPR規格の伝統的やりかたを変更することに反対している方がおられるが,電力制限やノッチ挿入などにより無線通信に対してCISPR22と同等の保護を与えることができる」と書かれています。