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2006-06-01

「聞こえないものを聞く」という認識

情報通信審議会情報通信技術分科会CISPR委員会高速電力線搬送通信設備小委員会第3回会合の議事録が公表されました。

3ページの8行目で杉浦主任は、「聞こえないものを聞く、ノイズの中の音を聞くとしたとき、何を基準とするのかを決めるのは難しい。」と発言しています。

資料9-4(pdf)「高速電力線搬送通信と短波放送の共存検証実験報告書」(平成17年9月26日;PLC-J、(株)日経ラジオ社、日本放送協会、ソニー(株))抜粋》

1) 放送受信電界強度:30dBμV/m(総務大臣免許値)ないし40dBμV/m(ITU-R勧告値)
2) 周囲雑音:14.9dBμV/m(ITU-R勧告P.372-8 "Business")
3) 放送受信に影響を及ぼすPLC(OFDM)妨害波電界強度:およそ0dBμV/m(放送受信電界強度30dBμV/mのとき)ないし4dBμV/m(同40dBμV/mのとき)

1)と2)にこれだけの差が必要なのは受信設備の内部雑音の影響があるからで、放送受信電界強度30dBμV/mのときと40dBμV/mのときでは受信設備(空中線)の条件も変えて実験したわけですが、いずれにせよPLC妨害波がない現状では、決して「聞こえないものを聞く」というような極端な状況で受信しているわけではありません。

何を基準とするのかを決めるのが難しいとすれば、資料9-5(pdf)で日経ラジオ社が指摘しているとおり実験データが不足しているという点は否めませんが、だからといって限られた実験から得られた数値よりも10dB以上高い(甘い)数値を基準にすれば、まさに「聞こえない」状況に陥ってしまいます。

posted at 00:07:40 on 2006-06-01 by jr9mfk -

コメント

通りすがり さんによるコメント

ここにCEPCAのPLC仕様がPDFで掲載
上の2つは必見(PDF)
http://www.cepca.org/about_...
2006-06-01 09:32:46
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