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2006-08-22

Differentialモード電流を考慮しなければ無意味--京都大学の研究結果

京都大学で電力線通信を研究対象とされている森広研究室が,電子情報通信学会の研究会でコモンモード電流だけでなくディフェレンシャル電流も考慮しないと電力線からの漏洩が押さえられないとする論文を発表しています。

つまり,電力線上のある1ヶ所でのコモンモード電流とLCLだけで全てが記述できるとしたPLC研究会,CISPR委員会における検討は完全に間違っており,それに基づいた情報通信審議会答申や関連省令改定案も完全に間違っているということです。

また,同論文では,コモンモードチョークフィルタが漏洩電界低減には効果がないこと,送信電力を下げることが漏洩電界低減に本質的であると指摘しています。

posted at 17:29:19 on 2006-08-22 by ohishi -

コメント

越後のちりめん問屋 さんによるコメント

漏洩電磁波による他の無線通信への影響を防ぐ目的を包含する法令整備の根幹を極める規制値の決め方に瑕疵がある、ということは、この案自体が無効であることを意味します。本日の結論は差し戻しの可能性が大。
その場合、科学的に誤った原案に賛成したJARLは社会的信用力を失います。
JARLは熟考の上、意見書を取り下げるべき。会長は首を挿げ替えればよい。法人としての社会的信用の方が大切であります。
2006-08-23 07:08:44

WA さんによるコメント

詳しいことはわかりませんが、屋内配線は分岐が多いのに対して、コモンモードチョークフィルタはそのフィルタを入れた分岐部分にしか効果が無いと言うことでしょう。
フィルタをいっぱい入れれば効果があるんでしょうけど、そんなことをするぐらいなら、分岐部にはレピータ(中継機)を付けて、PLCモデムは全て分岐線路なしの1対1対向構成にすれば良いのにと思います。(そうなれば、私のPLC反対理由はほとんど無くなっちゃいますけど……)
2006-08-24 02:17:56

ohishi さんによるコメント

壁の中に配線されている電力線のあちらこちらにチョークフィルターを挿入する工事をしたらどれだけお金がかかるのでしょう?同じお金を掛けるのなら100Base-TまたはGbEを引き回した方が安定した通信ができると思いませんか?

電力線に手を入れると言い出した時点で,PLCの唯一の魅力は消え去ってしまいます。
2006-08-24 18:07:44

石崎 亮史朗 さんによるコメント

この様な「科学的な根拠」で物事を決定するとは。四大公害裁判の教訓は生かされているのでしょうか。
2006-08-28 18:56:50
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