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2007-06-24

基本は無線LAN,通じない場所にPLC -- Yomiuri PC 8月号

6月23日発売のYomiuri PC 8月号に,高速無線LAN & PLC 入門という特集が組まれています。家庭内のネットワーク構築にむけてのアドバイスをしているもので一読の価値があります。様々な実証も踏まえて同誌は,基本は無線LAN,通じない場所に補完的にPLCとしています。

無線LANについては802.11nの利用を薦めており,その仕組みや11n対応無線LAN機器についての解説も行っています。また,導入についても簡単としています。

さてPLCについては無線LAN (4ページ) の2倍ものページ数を割いています。PLC特集のタイトルはPLC (電力線通信) の基礎 手軽だが欠点も。一戸建てやマンションでの速度実測データも踏まえ,有線LAN,無線LAN,PLCの比較表を作成しています。

項目名      有線LAN 無線LAN PLC
設定の容易さ     ◎   ○     ◎
障害物に対する強さ ◎   △     ○
セキュリティ      ◎   ◎     ◎
可動性         ×   ◎     ○
規格の標準化    ◎   ○     ×
パソコンへの搭載  ○   △     ×

「PLCとは?」,「住環境によっては速度がでないことも」,「PLC利用時の注意点」という見出しをつけた記事となっています。中でも注目することは,PLCの信号は分電盤を越えるとして屋外へもPLC信号が漏れることを取り上げていることです。情報が漏洩することよりも混信(妨害)の可能性を述べています。そしてPLCは屋外での使用不可としている点です。これについては母屋と離れの間をPLCで通信するケースを取り上げ,配電線が架空である場合は不可だが地下を通る場合はOKとしています(恐らく独自の解釈でしょう)。

有線LANでは50Mbpsを越える通信環境の一戸建てとマンションでの実測対決結果には注目です。7種類の測定実験のうち,マンションでは異相の場合に1種類しか通信できていません。同相の場合でもマンションでの通信速度は無線LAN (802.11g) の速度の8割から5割程度となっています。一戸建てでは状況はマンションよりも良いのですが,異相の場合は10Mbpsを越えたケースが1種類だけであり,同相の場合は最大速度として無線LANを少し越える31Mbps程度も出たとしています。

結論として,PLCの効果的な利用法としては,有線LANで配線できない場所,あるいは無線LANで電波が届かない(通信速度が極端に遅い)場所などに補完的に活用するのがよい,としています。

また,日経PCビギナーズ7月号でも「無線LAN & PLC,ブルートゥースで机周りのケーブル一掃」という特集を組み,まずは無線LANを導入し,無線LANが無理ならPLC,としています。

日経Trendy7月号では,パイオニアのMusic Tapの試用レポートが3ページの記事となっています。音質という評価軸がどこかに飛ぶことを許す用途であれば,という内容となっています。

posted at 12:48:51 on 2007-06-24 by ohishi -

コメント

misaki さんによるコメント

PLCの信号は分電盤を越えます。

パナソニックコミュニケーションズの寺内宏之氏
http://www.atmarkit.co.jp/f...
> 分電盤を超えて電気の引き込み線に信号が流れる可能性もある
2007-06-24 19:21:56
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